(一)この世界ごと愛したい




伝者と馬を並べて走る。


とにかく最速で。



行く道で襲撃の詳細や、この人の知る最新の被害状況、敵の数、率いてる人物を聞きながら頭を整理して、自分には何ができるか考える。



ここから逆転の一手はないか考える。





「…じゃあ王都は丸五日も襲撃に耐えて、尚交戦しているってこと?」


「はい。皆の士気は高く、自国を守ろうと奮闘しています!」




…わかるよ。



きっとみんな必死に国を守ろうと、諦めずに頑張ってくれるんだよね。





でも、私はそれに多少違和感を覚える。



確かに国の守備隊は全て残してきた。それにアレンデールの将軍は私以外にもまだまだいる。





しかし、五日も侵攻に耐え得るのだろうか。





父の帰還も大きいとは思うし、みんなの力を疑ってなんかいない。