(一)この世界ごと愛したい





るうは優しくて、強くて。


そんなるうを、私は守りたいとずっと思ってるのに。本当はずっと守られてて。





「じゃあるうのお願いは私が叶えるよ。」


「…たぶん無理だからいい。」


「えー、そんなの分かんないじゃん。」


「俺はいい。それに今こうしてるだけで、少し叶ってる気もする。」




どういうことだろうと、ふと星空からるうへ視線だけ向ける。


何故だか目が合ってしまった。




「……。」


「…なに?」


「なんでもねえ。」




目が合ったるうの顔が、少しだけ真剣で。


また、少しだけ大人びて見えて。




私は少しだけ、脈拍が速くなった気がした。