(一)この世界ごと愛したい




「上ならバレねえだろ。」


「…うん。」




私をそっと降ろしてくれたるうは、地べたにごろんと横になる。


なので二人で転がって星を眺めることにした。




「あと二日も引きこもり生活かー。」


「普段から引きこもってるくせに、やたら嫌がるよな。」


「…余計なこと言わないでください。」




でもこんな綺麗な星空を見ることができたから、不思議と明日も頑張れそうな気がしてきた。





「ありがと。」


「…お前が望むことなら、何でも叶える。」


「そうなの?」


「お前はいつだってみんなの願いを叶えてきただろ。だからお前のは俺が叶えてやる。」





るうの言葉が胸に刺さって。


私は少し苦しくなった。




周りの期待に応えられるように、心配かけないように、悲しい思いをさせないように。


そうやって生きてきたのは事実。




その中で、昔からるうだけはいつも私の気持ちを汲んでくれていた。