呆れたようにるうが溜め息を吐く。
自由に動けるるうには私の気持ちなんて分かりっこないもんねー。
なんて、子供みたいなことを考えていた。
「えっ…るう!?」
「要は足使わなきゃいいんだろ?」
もうここに来て何度目になるかも分からない、お姫様抱っこ。
「ちょっ、どこ行くの!?」
「お前が外に出たいって言ったんだろ。」
部屋から出て、るうは黙々とどこかへ向かって歩いていく。
流石に夜遅いから人には出くわさなかったけど、それでも恥ずかしいことに変わりない。
「…屋上?」
「こないだ兵士がサボるのに絶好の場所だって教えてくれた。」
るうのコミュニケーション能力マジですごい。
「わあ…!」
屋上の扉を開けると、まさに満天の星空が広がっていた。

