何故だろう。 不安そうなるうの顔を見たら、私まで泣きそうになった。 だけど、私は行かなきゃいけない。 全部はもう無理かもしれないけど、守れるものは守り抜きたい。 王都の民の恐怖に比べたら、今の私の状況なんて大したことない。 手足はある。 まだ走れるし、まだ剣を振れる。 必ず、行くから。 どうか無事でいて。 「……はる。」