レンはあまりの壮絶さに、目を伏せる。




「王子を憎いかと聞かれると…正直憎い。俺が喉から手を出しても叶わないものを、あっさり手に入れちまったわけだし。」


「…姫絡みで恨まれることには慣れてきたよ。」


「だからと言って、リンに危害がない限り別に王子をどうこうしようなんて思ってない。事情を知れば知るほど、王子も巻き込まれた側の人間だろうし。何よりリンの治療も実際助かってる。」




るうはまた、私の頭を撫でながら優しく笑いかける。







「結局俺は、リンが幸せならそれでいい。」