「他の誰かと結婚して生活する様を、わざわざ見たくもねえって思ったけど。」


「……。」


「…本当はリンが一番傷ついてて、残って誰よりも国を守りたかったはずなんだ。」


「…うん。」



眠る私の手を、るうがそっと握る。




「陛下が殺されて、国全てを左右する決断を託されたリンが取れる行動は一つしかなくて。それでも周りが自分を責めないように、心配しないように。何ならその後の国の体制まで整えて。


結局、リンが全てを背負ってた。


国中がリンを信じてリンに縋ってるもんだから、本当は傷だらけなことに誰も気付かない。




だから誰にも見つからない場所で、リンは一人で泣いて。


そんなの見てたら、俺も腹決めねえとって思わされて。結果ここに来てた。」