しばらくして再び部屋の扉が開き、るうとレンが帰ってきた。
「…あれ、寝てんのか?」
「さっき渡した薬に少しだけ眠り薬を混ぜたからね。」
るうはそれを聞いて、本当に盛ったのかと驚きつつも、レンを責めることはなく。
「起きてて、色々我慢させるよりこの方がリンのため…だな。」
るうは眠る私の頭をそっと撫でる。
「ルイは、本当に姫が大事なんだね。」
「……。」
「俺はルイに憎まれるべき人間だと思う。」
「…リンの結婚話を聞いた時に、俺は正直アレンデールに残るつもりだった。」
るうは静かに、口を開く。
誰も知らないるうの想い。
もちろん私だって、知る由もない。

