バタンと、虚しく閉まる扉。
るうとレンが私の退屈凌ぎの本を書庫に取りに行ってくれている。
もちろん、普段とは比にならない量の返却用の本を抱えて。
こんだけやることなかったら読む量も増えるわ!!!
「…この薬苦手なんだよねー。」
レンが調合したと言う薬。
今朝から服用を開始したものの、ビックリするほど苦いのよ。これが。
良薬は口に苦しとは言うものの。中々の苦さに朝は飲むのにめちゃくちゃ苦労した。
しかも飲むまでずーっと見張られてるからね!?
「仕方ない、一気に飲もう。」
少量ずつ飲むと、それはそれでキツいことが朝分かったから。
意を決して、私は再びレンの薬を一気に飲み干した。
その薬は、やっぱり苦くて。
でも朝の薬と違って、少しだけ甘さがあるような気がした。
飲みにくそうな私を見て、もしかすると調合を変えてくれたのかもしれない。
そんなレンの優しさに少しだけ笑ってしまう。
そして二人が戻るまで、また本を読んで待ってようと思っていたんだけど。本を開く間もなく気付けば私は眠ってしまっていた。

