何もしないって、こんなにストレスなのか。
「もう、無理かもしれない…。」
「無理じゃないよ。はい、午後の薬持ってきたから飲んでね。」
「う…。」
「じゃあ、ルイと本取りに行ってくるから。飲み終わってもそこに置いたままにしててね。動かなくていいから。」
とにかくレンの圧がすごい。
るうに関しては慣れてるのも大きいけど。
普段ぼんやりしてるレンが、医術師として動いてる時は、それはもう…なんか怖い。
逆らったらマジで何かしら薬盛られそう。
「…はい。」
泣く泣く絞り出した返事に満足したように、レンは笑っていて。
るうは若干憐れみの目で私を見る。
恐らく私とるうは同じことを思っただろう。
…今後セザールでは絶対に怪我や病気を患ってはいけない。

