(一)この世界ごと愛したい




戦場なら光の速さで斬ってます。



でも、自分で離れろって…言ったな?まさか出来ないと思われてるのか?





「…っ!?」



一気に足の力を抜き、掛けられた体重を利用してエリクの体制を崩す。


その瞬間に私を抱き締める腕が離れたので、一瞬で脱出に成功した。




お陰様で、意味分からんくらい足に負担は掛かりましたが。





「ははっ、流石は我が姫。手強いな。」


「ありがとうございます。」


「充分に楽しめた。今日はこれで失礼することにしよう。」



…朝からどっと疲れた。


去り行くエリクの背中が見えなくなったのを確認して、私はその場に座り込む。




痛かったー!!!





「リン!」



るうがすぐに駆け寄ってくれる。


しかしそんなるうを私は怒る。




「動かないでって言ったでしょ?」


「…無理そう。」


「無理じゃないから。」


「あと少しでも遅かったら間違いなく斬ってた。」



…こりゃダメだ。


そもそも私が気を付けないと、るうが先に飛び出しちゃうなー。