この未知の生物が鳥肌が立つほどの世迷言をサラサラと述べる、この時間に価値を感じない。
もう聞く気力もなくなってきた。
「さあ姫、参りましょう。」
「えっ…。」
…ヤバい、聞いてなかった!!!
腕を掴まれ、その腕を引かれたので無意識に抵抗しようと力を入れたことによって足に痛みが走った。
「…今日は予定があります。一緒には参れません。」
「ほう、では終わるまで待つ。」
「待たれても困ります。お引き取りください。」
「気にせずともよい。私は問題ない。」
お前はな!?
こっちには問題しかないんだけどね!?
痛む足に気取られないよう、顔に出さないように気を付けるが。
気味の悪い笑みで私を見下ろすこの男は、気付いてる。
そして、人の傷を突いて弄ぶことが好きな男だということを私は知っている。

