(一)この世界ごと愛したい




るうが動いたのを横目で確認した。




「ああ。清々しい太陽に麗しい姫。なんと目覚めの良い朝だ。私はまだ信じられないよ。この王宮の一つ屋根の下で姫と生活できているなんて。」




もうお昼前ですけどね???




私だって信じられないよ。


世の中にこんな意味不明な生物が存在するなんて。



るうは警戒しつつも、この戯言を聞いて既にげんなりしている。


レンはもう視界にさえ入れないようにしている。





「おはようございます、エリク様。」


「姫が私の名を…!ああ、私は今日という日まで生きていてよかった。」


「私にご用ですか?」


「もちろんだ。姫は私の生きる理由そのもの。どんな時でも姫の側にいたいんだ。」




一人で相手するなんて言わなきゃよかった。


しかし下手にあの二人に相手をさせると、また逆上されかねないし。




…どうやって追い払おうか。