「この薬草は?」
「これは胃腸の働きを促進する作用がある。本来寒さに弱いのが欠点なんだけど、同等の作用の薬草と交配してこの冬は乗り越えられたから、普及させれば冬でも使えるようになるはずだよ。」
「こっちは?」
「これは主に解熱作用がある。さらに痛みを緩和する効果があって、君の足にもこの薬草を煎じたものを塗ってある。体感したと思うけど持続時間は大体六時間くらい。内服薬としても利用できないか今思案しているんだけど、何せ苦味が強いから他の味を加えて作らないと服用するのを躊躇う人が多いだろうね。」
…すんごい喋るね!?
薬草のことだけはめちゃくちゃ喋るじゃん!!!
しかも解説わかりやすいし、実物見ると頭にも入りやすいので思わず私までわくわくする。
私の質問にレンが答えてくれて。
その間もレンはお水をあげたり、土を触ったり植物に触れたりして、なんやかんや昼前まで過ごしていた。
るうは少し退屈そうに、少し離れた場所に座って様子を見ててくれている。
「あれ、これはお花だね。」
「…それはまだ研究中。俺の母親が死に際まで研究していた花で、薬として使えるかはまだ分からない。」
「…思い出の花かー。」
そんないい話をしていたのよ。
そんな時に現れる人って、やっぱいるもんなんだよね。

