(一)この世界ごと愛したい





「で、これからどうするー?」


「この部屋に立て籠もるか。」


「いや、エリクなら突撃してくるよ。私あんな気色悪い台詞、朝から聞きたくないなー。」




もちろん昼も夜もごめんだけれども。


書庫通いがバレて、書庫に現れるようになっても嫌だし。




「あ、中庭でレン様の薬草を眺める?」




あれだけ広くて人目がつく場所なら、夜じゃない限りは手は出しにくいはず。




「そうだな。」


「…俺はいいけど。昨夜の状態のままだから、無事がどうか確認したいと思ってたんだ。」


「じゃあ決定ねー。」




私たちは三人で中庭に向かうことになった。