賑やかなティータイムを一人終え。
レンはこの争いに巻き込まれたくなかったのか、優雅に帰って行った。
…くそ、逃げられた。
必然的にるうと二人になるのでまだガミガミ、グチグチ言われながらも私もペロリと食べ終えた。
「るうごめん。」
「やっと理解したか。」
「コーヒーおかわり。」
「……。(コイツまじでいつか沈める。)」
るうがコーヒーを追加で淹れてくれて。
私も読書でもしようかと思ったんだけど、るうの手が私の頭に伸びてくるのが見えた。
「…髪。」
「ん?」
「綺麗に纏まってる。」
「レン様が稽古の邪魔だろうからってやってくれたのー。」
るうは、そっと髪を縛っていた紐を解いた。
「え、ちょっと…!」
これから本読むのにもちょうどよかったのにと、文句を言おうと思ったが阻まれた。
るうがまた、私を抱きしめる。
「俺は矛盾してるな。」
「…?」
「…なんでもない。」
それから、しばらくそのままの状態で。
なんだかるうが悲しそうだったので私から動くこともできなくて。
追加のコーヒーから湯気がなくなったくらいで。
ようやくるうは私を離した。

