(一)この世界ごと愛したい




賑やかなティータイムを一人終え。


レンはこの争いに巻き込まれたくなかったのか、優雅に帰って行った。



…くそ、逃げられた。



必然的にるうと二人になるので、未だガミガミグチグチ言われながらも私もペロリと食べ終えた。




「るうごめん。」


「やっと理解したか。」


「コーヒーおかわり。」


「…。(マジでコイツいつか沈める。)」



るうがコーヒーを追加で淹れてくれて。


読書でもしようかと思ったんだけど、るうの手が私の頭に伸びて来るのが見えた。




「…髪。」


「ん?」


「綺麗に纏まってる。」


「レン様が稽古の邪魔だろうからってやってくれたのー。」



るうは、そっと髪を縛っていた紐を解いた。




「えっ…!?」



これから本読むのにも丁度良かったのにと、文句を言おうと思ったが阻まれた。



るうがまた、私を抱き締める。





「俺は矛盾してるな。」


「何の話?」


「…何でもない。」



それから、しばらくそのままの状態で。


なんだかるうが悲しそうだったので、私から動くことも出来なくて。




追加のコーヒーから湯気がなくなったくらいで。


ようやくるうは私を離した。