少し遠慮気味に向かって来た兵。
やっぱり気使わないわけないよね。
とは思うけども、それでは稽古にならないので適当にその剣を弾き飛ばす。
…相手にならないんですけど!?
「遠慮はいりませんので思いっきりどうぞ?」
そして次の兵次の兵と相手をしていくが、一人あたり一分もかからないのですぐ終わりそう。
…すぐ終わりすぎかも。
と不安になったのでもう一周継続することにした。
でも兵たちも徐々に慣れてきたのか、遠慮の色は徐々に薄れてきている。
「次、お願いします。」
「はい!」
もう汗だらけ泥だらけの彼らとは裏腹に、私は涼しい顔で飄々と稽古を続ける。
これではもはや練兵に近いかもだけど。
兵の疲れがピークに達したところで、私は稽古終了の声を掛けた。

