(一)この世界ごと愛したい




第三王子は稽古場の隅の木の下で、私の様子を見守ってくれているが。あまりの人数に少し心配そう顔で私を見ている。


私はそんな王子に一旦駆け寄る。




「そこで見学するの?」


「そのつもり。」


「…私も一応気をつけておくけど、出来るだけ高いところから死角になるようにしといてね。」


「…わかった。それより本当に全員相手にするつもり?」



ざっと見た感じ、三十人ほど。




「そこまで時間かけないようにする。」



あの阿呆…じゃなくてスーザンのために、そんなにサービスしたくないからねー。



誰にも聞こえない程度のボリュームで話し終えた私は、兵たちに向かい合う。




「では、とりあえず一人ずつお相手お願いできますか?」


「もちろんです!」



すぐに素早く一列に並び直す彼らを見て、私は苦笑いが漏れる。


一人目の兵へ視線を向ける。





「では、どこからでもどうぞ。」