(一)この世界ごと愛したい





最後はそんな和やかな空気で、第三王子はさっさと自分の部屋へ帰って行った。


この王宮では珍しく、真っ当な心を持つ人だなと思う。その真っ当さが逆に“特異”と捉えられてしまっているだけなんだろう。



いつか使者が言ってた特異とはこう言うことだったんだと、腑に落ちた。




「思ったよりいい人で良かったね。」


「他がヤバいだけだろ。」


「それは確かに言えてるけどー。」


「…にしても今回みたいに刺客の類がまた出て来る可能性もある。お前も油断すんなよ。」



毒殺に、暗殺に…。


それも家族から仕向けられるなんて、私だったら心が壊れてしまいそうなものだけど。




「私は大丈夫だよー。」



広範囲レーダー搭載されてるからね!!!





「…ま、とにかくあんま深入りすんな。お前がお前らしく過ごせれば俺はそれで良い。」



ぽんぽんと、私の頭を撫でるるう。


その表情はなんとも言えない寂しそうな、怯えたような…だけどどこか安堵したような。難しい表情。




「るうもあんまり無理しないでねー?」


「お前に心配されたら終わりだな。」



るうの真意はわからないけど、いずれ来る決戦の時までお互い元気でいられるといいなと。


心からそう思った。