最後はそんな和やかな空気で、第三王子はさっさと自分の部屋へ帰って行った。
この王宮では珍しく、真っ当な心を持つ人だなと思う。けどその真っ当さが逆に“特異”と捉えられてしまっているだけなんだろう。
いつか使者が言ってた特異とはこういうことだったんだと、腑に落ちた。
「思ったよりいい人でよかったね、第三王子。」
「他がやばいだけだろ。」
「それは確かに言えてるけどー。」
「…にしても今回みたいに刺客の類がまた出てくる可能性もある。お前も油断すんなよ。」
毒殺に、暗殺に…。
それも家族から仕向けられるなんて、私だったら心が壊れてしまいそうなものだけど。
「私は大丈夫だよー。」
広範囲レーダー搭載されてるからね!!!
「…ま、とにかくあんま深入りすんな。お前がお前らしく過ごせれば俺はそれでいい。」
ぽんぽんと、私の頭を撫でるるう。
その表情はなんとも言えない寂しそうな、怯えたような。けどどこか安堵したような。難しい表情。
「るうもあんまり無理しないでねー?」
「お前に心配されたら終わりだな。」
るうの真意はわからないけど、いずれくる決戦の時までお互い元気でいられるといいなと。
心からそう思った。

