(一)この世界ごと愛したい




食事会の時の話だと、僅かでも医術について知っている物言いだったし、良い情報が得られるかもしれない。


一石二鳥のお得作戦だ。




「…少し、意外だね。」


「え?」


「君たちのような軍人は、人を治すことよりも人を殺すことにしか興味がないんだと思ってた。」


「すごい偏見ですねー。」




戦には救護班だっているんだし、そんな乱雑な扱いを彼らにしたことはない。


寧ろ戦場で、何度も救われた。




「この国の医療は確かに最先端だよ。治したい人がいるの?それとも薬?」


「もちろんアレンデールにも医者はいるんだけど。もっと助かる命があるなら、手に入れたいと思うのは…変、かな?」




第三王子は、目を見開いて私を見る。


もちろんこれも私の本心だけど。ハルのことは、私自身でなんとかする。



情報が漏れて足枷になるのが、今は一番怖い。