(一)この世界ごと愛したい




狙われている。


用心深く気取られないよう周囲を見渡すと、少し離れた建物の屋根に僅かだが人影が見えた。




…弓か。



るうの服の裾を引っ張り、異変を伝える。


夜なので視界が悪いのが厄介だが、幸い距離があるからなんとかなるか?




「レン様。」


「…?」


「振り返らず、そのまま三歩左へ。」




刺客の狙いが第三王子だということは汲み取れたので、刺客から少しでも死角になるよう誘導した。


第三王子が左へ動いたことで、焦って弓を放つ刺客。




「借りる。」



この場で唯一帯剣していたるうの腰から剣を抜き取り、冷静に弓を切り落とす。






「…右の建物の屋根の上。後ろの茂みに逃げ込んだから追えそうにないねー。」


「…おい。」


「いやー、頭悪いねー。私が横にいる時に狙うなんてさ……あ。」


「はぁ…。」





思わぬハプニングに興奮して、ほぼ素で喋ってしまった!!!


るうさん冷たい目で見ないで!!!