「ならぬ。この国の医療技術は私のものだ。」
「先人達が命懸けで紡いで来たものです。分け隔てなく必要な者へ施すべきだと思います。」
「貴様は相変わらず喧しい。私の意見は変わらん。治療が必要ならばそれだけの金と、それに見合った対価を貰わねば商売は成り立たん。」
「医術は商売道具じゃない。」
初めて、彼が本気で怒っているように見える。
「何度も言わせるな。この国の支配者は私だ。まだ喚くなら再び牢へ送るぞ。」
急に勃発した親子喧嘩を眺め、ようやく私から話題が逸れたことに少し喜んでさえいたが。
この王の言動はやはり不愉快極まりない。
国は守るものであるが、支配するものではない。
そう思いはしても、この阿呆王にはきっと何を言っても通じなさそうだし、他国の事情は知ったことではないので私は何も言いません。
でも、第三王子は悔しそうな表情で。
なんだか不憫に思えてしまう。

