(一)この世界ごと愛したい




巻き込むなと明らかに嫌そうな顔でこちらを見ているが、もう見ない!見えない!!



「ははっ、若い者同士の席に私は不要かもしれんな。」



え、どっか行ってくれるの!?




「……。」


「…どうした姫よ。」



…行かんのかーい。


全然平気で居座るんかーい。




「いえ、セザールの余興はどのようなことをなさるのですか?」


「ふむ。琴や舞が一般的だが。」



ぜんっぜん馴染みないから分からない!




「琴と舞…さぞ美しいでしょうね。」




もうありきたりなことしか言えませーん。


私には何も期待しないでくださーい。



というか、実際アレンデールに琴や舞の文化はないし。セザール特有なのかな。




「そう言えばセザールは医術が盛んなのですか?」


「ああ。他国からわざわざ要人の治療を求めてセザールへ来る者も多い。」




また、不思議と私の胸に違和感が残る。


パパがこのことを知らないわけがない。つまり、ハルの治療をセザールに頼まなかった?



…頼めなかった、のか?




それとも頼んだ結果、治せないと判断されたのだろうか。