(一)この世界ごと愛したい





桜舞う、幼い兄妹の記憶。






『わたし、おおきくなったらはるのおよめさんになりたい。』



『リンは妹だから無理だ。』



『どうしてー?』



『そういう決まりなんだ。俺だって結婚するならリンがいい。』



『いもうとじゃなければ、およめさんになれる?』



『ああ。絶対に嫁にする。』



『つぎにうまれるときは、ぜったいにはるのいもうとにはならないようにおねがいするね!』



『…じゃあ俺もそうする。』



『はるだいすきだよー!』








『何度生まれ変わっても、どんな立場で生まれても。俺はお前を一生守って生きていく。』







将印に刻まれた桜は、この日の誓いの証。


幼い二人の、愛しい思い出の証。









【fin.】