パパへ伝令を送って、数日が経つ。
もう隣国との戦へ向けて誰かが出陣しないといけないタイムリミットも迫っている。
「姫様、陛下から書状です!」
ようやく伝者から、返事が届いた。
「ギリギリ間に合ってよかったー。」
「こちらです。」
パパからの返事は、『否』。
隣国との戦へは変更なく私が行くようにと。
パパが国へ帰還されるまで、国の警備は守備隊と別の将軍をと。
「…うーん。」
「姫様?」
「…いや、杞憂であることを祈るしかないか。」
私はどこか引っ掛かりを感じつつも、指示通りに戦の準備を大急ぎで始める。
何があってもいいよう、準備はほとんど終わらせているんだけど。このまま私が行くことになるとは正直予想していなかったので、少し焦ります。
正直なところ、パパなら私の手紙通りに動くと予想していた。
「さて、じゃあ行こうか。」
金の甲冑を纏い、私は戦場へ足を進めた。

