「マジで軽い。もっと別れを惜しんでほしかった。」
「……ハル、あの将印…。」
「…何だよ。」
「気持ちは分からんでもないけど、リンが知ったらビビるぞ?」
ハルが私に将印を渡した時、るうが驚いた理由。
私は所詮鳥籠の中の世界しか知らなかったので、世間での将印の意義を分かってはいなかった。
世間一般での将印の意味とは。
その将軍が、生涯愛する唯一の女性へ送る愛の証。
「ビビったついでに帰ってくればいいんだがな。」
「…やっぱマジだったのか?」
「お前はどこに拘ってんだよ。」
「いや、もしそうなら…。」
るうはバツが悪そうに、ハルから目を背ける。
「…今世は仕方ねえ。」
「……。」
「けど、来世では絶対モノにする。」
どこまでも強いハルを見て。
るうは憐れむのも、情けをかけるのも違うと。そう思ってその肩に手を置く。
「大刀の練習、付き合ってくれ。」
「…仕方ねえな。」
二人の私への想いに相違はない。
そんなハルの想いなど露知らず、私はいつまでも大好きな兄をただただ慕い続ける。
その背中を追いかけ続ける。
生まれて初めての、自由のという名の翼。
ハルとるうに見えたと言う、その大きな翼を背に私は空を駆ける。

