(一)この世界ごと愛したい





ただ、剣から大刀に持ち替えたハルが再び剣を持つ姿は少し懐かしい。


稽古の時も大刀だったのに。




「二人とも朝から元気だねー。」


「は?」


「私もう行くねー。あんまり無茶な稽古してみんなに迷惑かけないようにねー。」




そう言って、私は軍部へ向かおうと歩き出す。





「リン。」


「んー?」



今度はるうに呼び止められるので、仕方なく振り返る。


そんなるうが、己の剣を私に差し出す。




「…え、何?」


「持ってけ。」


「これるうのじゃん。」


「俺昨日新しい大刀買ったからリンにやる。」



なんと。


ハル同様、大刀に持ち替えるというるう。



率直に羨ましい。私も本来あんなのを軽々振り回したいけど、腕力的に厳しいから無理なんだよねー。




「一応持ってたら?慣れるまで少し時間かかるだろうし?」


「たまにハルので練習してたから大丈夫だ。」


「…そっかー。」




私はるうから剣を受け取ることにした。


手入れも良くされた、馴染みの良い剣で。そんなるうの剣が持てることが嬉しくて思わず笑みが溢れる。





「ありがとうー。」


「…ああ。」



るうの剣を左側の腰に差す。


うん、これでとりあえず準備完了だ。




「じゃあもう軍部は行かなくていっか。」


「リン、これもやる。」


「え?これって、ハルが前使ってた剣だね。二本とも持ってけってこと?」


「…双剣、中々様になってた。」




ああ、そんな稽古もしたなー。


でも実戦ではそう簡単にはいかない気がするけど。どうしようかな。





「ハルに褒められると、やっぱ嬉しいね。」


「いつも褒めてんだろ。」


「…こうなるってことは、私の剣隠したでしょ。」


「……。」




まったく。


パパからもらって大事にしていた剣なのに。





「…悪い。」


「アルが嫌じゃなければアルにあげてー。」


「いいのか?」


「うん。今はこの二本の方がなんかしっくりきてるから。」




こうして、ハルの剣を右側の腰に収める。