(一)この世界ごと愛したい




さて、そろそろ休みたいところです。



私のベッドには、さっきからずっと横になっていたるう。そして新たにその隣に入り込んだハル。


つまり二人で仲良くゴロゴロしている。




…そのまま二人で寝たらいいのに。





「……。」


「…何してんだ、リン。」


「私いる?二人で寝たらいいんじゃない?」


「気色悪いこと言うな。」


「んだとルイてめえ。こっちの台詞なんだよ。」




…まあ、でも。


こんな旅立ちの前日くらい、また三人で寝るのも悪くないかもしれない。





「どーん。」


「ばっ、リン!ルイに近寄るな!」


「うるせえ。ハルどけ。」




そんな二人の真ん中にどーんと飛び込みました。


どっちにも寄ってません。平等です。







「…幸せだなー。」




思わずそう呟いてしまえるくらい。


大好きな二人の側にいられて、私は本当に幸せ者です。





「…え、可愛すぎる。」


「ハル、やっぱり俺リンに着いて行きたい。」


「ふざけんな。行くなら俺だ。」


「お前はダメだろ。」




いつもの小競り合いさえ愛しく思えるのは、それはきっとこんな日だから。


こんな他愛のないことが、日常ではなくなることを知っているから。






でも、大丈夫。


どこにいたって私は一人じゃない。



この国で最強の二人が、きっといつでも私を助けに来てくれる。支えてくれる。守ってくれる。





「ダメなわけねえだろ。」


「大体ハルはリンを独占しすぎなんだよ。」


「当たり前だ。俺のリンだからな。」


「その根底がおかしいことに気付け。」




きっと、またすぐに会える。


私が会おうと思えば、いつでも会える。




だって私の鳥籠の入り口はもう開いている。広い広い世界と通じる入り口はもう、閉じることはないだろう。