実は昔初めてこの人の戦を見た時、初めて戦を綺麗だと思った。
無駄がなく隙もない。エゼルタの大将は別の人だったけど、シオン将軍が大将だったなら正直アレンデールは負けていたのではないかとも思った。
…それくらい私は尊敬してる。
それと同時にこの人をどうしても好きにはなれない。
「その余力を少々まだ見てみたいので、少し離れて見学しています。」
「…鬼畜。」
「それだけ興味がある。」
「だから嬉しくないんだって。」
シオン将軍は、本当にエゼルタ兵を撤退させる。
そして本当に残された残る二国。先程の火薬で粗方人数は削ったとは言え。まだ凡そ一万はいる。
もう、瞳の色を変えてしまったので。
ここからは本当に私もいよいよ加減はできません。
るうにも止めとけって言われたのに。使うつもりなかったのに。
シオン将軍のせいだ!!!
これだけの指揮官が総大将だったなら、あの敵軍の対応の速さも頷ける。
「あんの鬼畜、次会ったら黒焦げにする。」
敵軍は待ってはくれず、直ぐにまた陣形を組み直して国境を越えようと試みる。
「自己責任だからね。」
私はここで力を全解放。
山を一つ包み込めるほどの莫大な炎が目の前に放たれる。
今回は不燃の制限を設けていないので、裏山での修行の時ほどではないと…信じたい。
「っ…あーもう。」
それでもやはり、気力は持っていかれそうになる。
もう充分だから力を抑えたいところなんだけど、この火龍さんがやはり中々に言うことを聞いてくれないので。
支配する炎の量を減らすために半分切り離す。本当は全部切り離してもいいんだけど、この国境付近全てを焼き尽くす訳にはいかないし。
近くには民家があり、生き物も少なからずいるだろうから。これ以上の被害は私の気持ちがしんどい。

