アキト、か…。
あまり時間を食うと、本当にこの城まで乗り込んで来ないとも限らない。
『お前の持てる限りの最速で来い。あんまり遅えとアレンデールまで迎えに行く。』
アキトは読みにくいから色々不安だし、私も本気で急がなきゃな。
「こっちも気にしてやれ。」
未だに意識がはっきりしていなさそうなハルを椅子に座り直させたるうが、私に不満そうに言う。
てか、ハルいつまでそうしてるんだろう?
「…じゃあ私ちょっと長考したいんで。お先に部屋に戻りまーす。」
「ハルどうすんだよ。」
「うーん。よく分かんないけど、るう慰めてあげてー。」
私は食事を少量だけ食べて、部屋に戻る。
時間がないことは本当だ。明日の段取りを整えなくてはいけない。やることは山積みだ。
「…ちゃんと見ててよ、アキト。」
もう戦神じゃない。
私の戦い方を。
あのニヒルな笑顔で、きっと離れた地から見守ってくれていることだろう。そして心配もしてくれてるんだろうね。
今はもう、少し懐かしいと感じる顔を思い出して笑ってしまった。
「今は、忙しいかもしれないな…。」
アキト。そしてトキも。
もう少し頑張っててね。
私はレン同様、二人のことも見捨てるなんてことは絶対にしないから。

