(一)この世界ごと愛したい




無事に書庫へ本を運び、そして追加でまた持って帰る。


しばらくはこんな日々が続きそうだと、考えて過ごしている内に次第に目も醒めてきた。





「食事会は七時だったよね?」


「ああ。」



準備しつつ、空き時間でもう少し読み進めたいところだな。


そう考えて本を片手に軽食とコーヒーをいただいていると、部屋のドアがコンコンと音を鳴らす。




「今日は客が多いな。」



るうが対応してくれるようで、私は読書とコーヒーに意識を戻そうと思った。


思ったのに。





「姫、失礼します。」


「…スーザン、様?」



るうを押し退けズカズカ部屋へ押し入って来た人は、第二王子のスーザンだった。


何故か偉そうな佇まいで、仁王立ちしているスーザン。




「いかがされましたか?」


「今日は剣の稽古をされていなかったようなので、姫の顔を一目見ようと思いまして。」


「流石の私も毎日はいたしませんよ。わざわざ気に掛けてくださりありがとうございます。」



さっさと帰れ。


読書の邪魔だ。



るうもどうやら同じ考えのようで、顔には出していないがイライラしてそう。




「私は毎日でも見たいものだが、明日は叶うだろうか。」


「…では、明日は稽古の日にいたしますね。」