顔を見合わせるハルとるう。
「…部屋にいなかったか?」
「いないの。城中探したつもりなんだけど…。」
「俺らで探すから、心配すんな。」
ママを落ち着かせて城に戻したハル。
二人にとって、何より大事な私の行方が分からないという出来事。
「最後は部屋にいたよな…?」
「帰って来たばっかで遠くには行かねえはずだ。また裏山か?とりあえず軍の連中呼んで探させるか?」
「そうだな。虱潰しに探せば…って、お前何のための石だよ。」
「…あ、そうか。」
まだ石の存在に慣れてないるう。
とりあえず私を探すべく石の力を借りることになった。
「おいおい。城から出てんじゃねえか。裏山の方向でもないし。」
「どこ行ったんだアイツ。」
「とにかく行くぞ!!!」
戦いの疲れも吹っ飛び、光の先へ私を探して全力颯爽。
そしてパパのお墓の前で、小さく丸まって眠る私を発見し、安堵の息を漏らす。
「何もこんな夜に、親父の墓の前で寝なくていいだろうに。」
「…無事でよかった。」
「全くだ。無防備すぎんだよなあ。」
「そこもっと叱ってくれ。」
「あんまり言いすぎると俺が嫌われる可能性が出てくる。お前が言え。」
「俺の言うことなんか聞かねえって。」
ハルが私を抱える。
そして三人で城に戻り、ママは安心したようだ。
「とりあえず部屋に寝かせるか。」
再び私の部屋に戻ってきたるうと、私を抱えたハル。
ハルは私をベッドに下ろして、その横に座り。ただただ私の頭をよしよしと撫でている。
「…それで、念の為聞くが。」
「あ?」
「さっきの痣。まさか最後まで…何てことねえよな?」
「…ない……はずだ。」
歯切れの悪いるうの返答に、ハルの怒りが再燃する。
「はずってなんだ。」
「酒飲んだ勢いらしいから俺は何一つ覚えてねえ。けど、起きた時のリンの顔からして…そこまではないと…思ってる。」
「つまり、ここまで手付けんのは初めてじゃねえんだな?」
「…なんで。」
なんで分かったんだと。
るうが声を発した時、ハルは不気味に笑う。
「カマかけたつもりが当たりかよ。俺が寝てる間は随分好き放題じゃねえか。」
「…確かに好き放題しすぎた。俺だけじゃねえけど。」
「ああ!?」
ハルの咄嗟の大声で。
私はここでようやく薄っすら目を開ける。

