でも、今は違う。
ハルに来てほしくないわけじゃなくて。
私に対して長年想いを馳せてくれた上で、ここまで苦楽を共にしてきたるうなら、きっと。
助けてくれるだけじゃなくて、一緒に戦ってくれるだろうと信じて。
「リンが、俺に…。」
「断じて恋心ではない。」
「んなこと分かってんだよ。いちいちうるせえな。」
「…それでもいざという時は、お前に来てほしいってことだ。」
そんなことをグレイブさんからも言われたるう。
改めて覚悟を決め、決意を固める。
「俺やっぱ諦めんの無理かも…。」
「しつけえな。見合い話でも用意してやろうか?」
「いらねえよ。お前がやってろ。」
「俺は死ぬまでリン一筋だ。」
何故かここで意気投合し始める二人。
「正直俺はリンより良い女に出会える気がしねえ。」
「当たり前だろ。存在しねえんだから。」
「だよな。なんであんなに可愛いんだよクソ。」
「誰のリンにクソっつってんだクソ。」
かと思えば、また揉め出したり。
もう暗くなるまで決着が着かない二人の戦いは、結局またいつも通りハルの勝利で幕を下ろした。
「化け物め…。」
「リンを手に入れるには、俺に勝つ他もう道はねえもんなあ?」
「…勝ったとしても、リンが望まねえなら俺は別に無理に手に入れようなんて思わねえよ。」
「それは知ってる。けどなんで勝てるつもりでいるんだよてめえは。」
決闘が終わっても尚、小競り合いを続ける仲良しな二人に。
ママが突然駆け寄る。
「ハル、ルイ。リンの姿がないんだけど、どこにいるか知らない?」

