「……。」
「……。」
「……。」
三者三様、それぞれ黙ります。
「…返せ。」
沈黙を破ったのはハル。
ハルが低い声でるうに返せと言う。
「私があげたの。るうは悪くないし、私はるうに持っててほしい。」
「ダメだ。俺が持ってる。」
「一週間旅行に行っただけなのに、石で探そうとしたってことでしょ?今後ハルと追いかけっこし続けるの私やだよ?」
「なんでだよ!会いたい時に会いに行って何が悪い!?」
やっぱり探そうとしたんだ…。
たった一週間で…。
「何でルイなんだよ。」
「お誕生日プレゼントにあげたの。」
「代わりの物を用意してやる。あの石はダメだ。」
「…もういい。」
あまりに埒が明かない問答に。
先に痺れを切らしたのは私。
「ハルが許してくれるまで、私ハルと口きかない。」
「なっ…!?」
私はコーヒーを美味しくいただく。
帰ってきたって感じするなー。
旅行先で飲むのと、城で飲むのと、また少し違うのは使っている水の問題なのだろうか。
「リン…?」
「……。」
「うっ…。リンー…。」
「……。」
大きな体を丸めて、明らかに落ち込むハル。
泣き落とそうとしたって無駄です。こうと決めたら私は動じません。
「…リン、なんか可哀想に見えてきた。」
「るうはハルに甘いよね。けど大丈夫だよ。私絶対死んでも口きかないから。」

