あまりに速く飛んだので、思ったよりも早く城を捉える。



るうは高いところにもハイスピードにも、恐怖心はないようで。終始楽しそうにしている。




…子供みたいだな。





「…ん?」


「どうした?」


「城の様子、なんか変だね。」




なんか慌たださを感じる。


何かあったのか…?





「ハルがいるんだし大事じゃねえだろ。」


「…うん。」




一体どうしたというんだろう。


私はとりあえず、城門前に着地する。




「姫様っ…!!!」


「ただいま。どうしたの?」



城の門番が私を見てすぐに駆け寄る。




「城に賊が入り込んでおります!ハル様が現在兵を率いて賊退治をしておりますので今しばらく城外でお待ちください!」


「…賊?」



私は不思議に思い、城に目を向ける。


私のレーダーでは不審な人物を探知することは出来ないけど。一体何が城に入り込んだんだ。





「るう、とりあえずハルと合流しようか。」


「ああ。」



門番には止められたものの、ほっとくわけにも行かず。私はるうと城内へ入る。




「帰ってきてすぐ問題事かよ。」


「…うーん。」



解せないなー。


なんでハルが目覚めた今、城に入り込んだりしたんだろう。目覚める前なら私もるうもいなくて確かに手薄だから分からなくないのに。









「盗人を探せ!!!」




城内にハルの声が響き渡る。


私とるうはその声の方へとりあえず急ぐ。