るうは私の肩をグイッと引き、無理矢理自分の方へと向き直させる。



その真剣な瞳と、私の緋色の瞳が交わる。





「本当はどうしても手に入れたかったし、まだまだ諦めるなんて到底出来そうもねえ。」


「…うん?」


「でも、俺の気持ちがお前の足を引っ張らねえように。ちゃんと行きたい場所へ、迷いなく飛び込めるように。」


「なんの…話?」




るうは至って真剣なまま。


難しい言葉を並べているけど。






「リンへの気持ちは一度ここで区切りを付ける。」



「え…?」




それはつまり、私に対する恋心への終止符。





…ほらね。


恋なんて、非永続的なもので。一時の気の迷いで。その時の感情の昂りによって引き起こされるだけの…そんなもの。





「これからは相棒としてちゃんと支える。隣に居続けられるようにもっと強くなる。」


「…うん。」


「だから、一旦これで最後だ。」





そう言って、満天の星空の下。



るうは最後に、私にそっとキスを落とす。







胸が苦しい気がするのは、たぶん。



るうの心の痛みを今二人で分け合っているんだと思う。





だから私も、しっかり一緒に受け止めてあげたいと。



瞳を閉じて、るうの想いを受け入れた。