綺麗な花火は、その儚さも代名詞。



打ち上げ時間が終了したようで、周囲は静寂に包まれる。






「…終わっちゃったー。」


「だな。」


「やっぱ火薬を使うと多彩な色が出せるんだね。私の花火とは違うよねー。温度変化だけじゃ本物を再現するのは難しそうだなー。」


「…リン。」




花火の再現方法について、割と真剣に考えている私をるうが呼ぶ。





「なにー?」


「…旅行、楽しかったな。」


「うん!すごく楽しかった!!」


「…また、行けるといいな。」




最後じゃないって言ったはずなのに。


それでもどこかやっぱり寂しそうなるう。もちろん私も寂しいけど。





「…思えば生まれて初めてだもんね。るうと長期間離れることになるの。」


「…だな。」


「辛いことも悲しいことも、一緒に乗り越えてくれてありがとう。」


「……。」




花が散ってしまった後も、空を見上げたままの私。



そんな私をるうが見つめてくれているのには、気付いているけど。向き合うことが出来ないのは、きっと。




…また私が、逃げているから。






「俺はもうお前を止めねえから安心しろ。」


「…知ってる。」


「だけど、俺もいい加減ケジメはつける。」


「ケジメ?」