今日の夜行きたいところがあると言っていたるうは、時間がヤバいと言い出した。
「リン、とりあえず着替えろ。」
相当時間が押してるのか、るうは部屋を出てどこかへ行ってしまった。
「時間言っといてよ!?」
そしたらちゃんと起こしたのに!!!
私はぶつぶつ言いながらも自分の準備を済ませる。それは大急ぎで。
そしてるうの後を追って部屋を出てみる。
「るうー!?」
「ちょっと待ってろー。」
るうを呼ぶと姿は見えないが、どこからか返事は聞こえる。
恐らく下から聞こえたな。
「るうるうるう!!!」
「あーもううるせえな。」
「何してるの!?」
「飯の準備。」
厨房っぽい場所でるうを発見。
使用人さん達と一緒に、何故かご飯の準備をしている模様。
「え、出掛けるんじゃないの?」
「ああ。ただ時間ねえから、ここで急いで食うか持って行くか悩んでる。」
「食べなきゃいいじゃん。」
「お前はまたそうやって食うこと怠るな。元気に健康体で帰さねえと、俺は王妃に会わせる顔がねえんだよ。」
どこまでも律儀だな。
しかし、るうが寝入ってしまったのがそもそもの原因な気がする…とはもちろん言えません。
「目的地ここから遠いの?」
「あーまあぼちぼち。」
私たちは結局この場でつまみ食い。
使用人さんたちも苦笑いを浮かべているけど、時間がないらしいので気にしません。
「ぼちぼちじゃわかんないよ!最悪私飛ぼうか!?」
「あ、それいいな。」
「高度落として目立たないように飛ばなきゃだけど。あ、これ美味しいね。」
「調味料ついでに教えてもらった。ハルも好きそうだし少しもらって帰ろう。」

