私は今日は眠らず。
今後の戦いのことは、旅行中はあまり考えないでおこうと思っていたけど終わりが近付くとどうしても考えてしまう。
頭の中で模擬戦を繰り返し、最善を探る。
「…ん?」
るうの目が薄く開く。
起きるの早いなーと思い、パッと時計を見るともう夕方を過ぎる時間になっていて。
…逆にめっちゃ寝てたじゃん。
と思わず笑ってしまった。
そしてそんな私は、ついついまた熟考しすぎてしまったなと反省する。
「おはよう、るう。」
「…あー。」
寝惚けているのか、るうは膝の上で寝返りをうつ。
「ちょっ…!」
あんまり動くな!?
こっちは今日も相変わらず危ないバスローブのみなんですよ!?
…まあ、私が悪いですね。はい。いい加減そろそろ学習してバスローブで過ごすのやめようかな。
「リン。」
「な、なに?」
「…幸せすぎる。」
「…はい?」
お昼寝できたから?
膝枕で寝られたから?
いい夢見れたから?
るうを幸せだと思わせた出来事とは、一体なんなのかとても興味深いです。
「夢の話?」
「ああ。」
「…現実にしてあげるのは難しそうな夢?」
「いや。」
叶えられるものならば、是非叶えてあげたい。
「もう叶った。」
「え?」
るうは起き上がり、私と同じ目線になる。
「ありがとう、リン。」
「わ…私は何も…してない、けど。」
何もしてないのに。
るうがあまりにも幸せそうに笑っている。
「…あ、時間やべえな。」
「え!?」

