私がそう言うと、るうは素直に目を閉じる。
昨日の夢の続きを見たいのだろうか。どんな夢だったのかしっかり聞くのを忘れてたから、起きたら教えてもらおうかな。
明日には、この地を離れることになる。
帰路の途中でたぶんまたどこかの街へ一泊することになるんだろうけど。
「…早かったなー。」
楽しいことは、あっという間に過ぎ去る。
私は帰ったらすぐに、南の一国と、東の三国を迎撃するために飛び立たなきゃいけない。
追い払うことさえ出来ればいい。
出来るだけ殺したくはない。諦めさせればいい。私はその背を追うことは敢えてしない。
あまり深手を負わせても、復讐の火種を作ってしまうだけ。その復讐が私個人ではなくアレンデールに向けば本末転倒。
この匙加減だけが、正直難しそうだなと感じている。
私は、膝の上のるうの髪に触れる。
…あとは、よろしく頼むよ。
私の代わりに、国を。そしてハルと家族を。
側で守っててね。
飛矢となり、私は外から守るから。
「…任せたからね。」
夢の中の相棒さん。

