(一)この世界ごと愛したい




シャワーを済ませ綺麗さっぱり。


ご用意いただいたバスローブを着て、ほっかほかの私を待ち構えるのは未だ怒って呆れているるうさん。




…そんなに怒ることかな???




「座れ。」


「…はい。」



ベッドに腰掛けているるうに、仕方なく近付き。


その隣にちょこんと座ります。



怒ってるのは一目瞭然で。心配掛けたのかなと、私は反省すべきこともあると思ったので大人しく従います。




「で?」


「うん?」




るう定番が発動。





「体調は?」


「ん?元気だけど?」


「楽しかったか?」


「…私は、楽しかった…です。」




そうだよね。


るうは何にも楽しくないよね!?見てただけだもんね!?




「…ならいい。」


「…え?」



ぽんっと頭に置かれたるうの手。




「お、怒ってない?」


「怒ってる。危ねえし風邪引くかもしれねえし。」


「…ですよねー。」




るうは頭の上の手を退けると同時に、私をベッドの奥側へと運び、座り直させた。


かと思うと、そんな私の膝の上に昨日同様自分の頭を乗せる。




「でも、お前が楽しいならいい。」


「…ちゃっかり膝枕。」


「文句あんのか。」


「…別にいいけど。」



さりげなく奪われた膝。


そしてさりげなく、私が楽なように背もたれがある場所に移動させてくれた。




「天邪鬼だなー。」


「喧しい。」


「…それにしても。」



今日はバスローブなので。


出来る限りじっとしてほしいと思っていることは、内緒にしておこう。





「あ?」


「…なんでもない。おやすみ、るう。」