(一)この世界ごと愛したい




「よし!湖いこう!」


「…ああ。」




ティータイムを終え、二人で湖畔へ。


近くで見るとやっぱり大きな湖。太陽が水面に反射してキラキラしてて綺麗。




「んー。」


「どうした?」


「やっぱ興味深い。陸地で囲まれてるのに水域があるって実は凄いよね。池や沼より全然大きいし。海水なわけないし、淡水か…。或いはやっぱり地層からか。」


「…おーい。」



もう完全に自分の世界に入った私を呼び戻そうと、るうが呼び掛ける。




それでも私はまた別角度から湖を見て考え込む。



そんな私の勉強熱心な様を見て、とりあえず気の済むまでさせようと思ったるう。


木に寄りかかり座ってその様子を見守っている。






「…水深が分からないなー。」



ここから眺めたって分からない。


もしかしたら温泉のこともあるため、この下にはそれなりの地底に眠る火山があったりするのだろうか。






「…るう、ちょっとこれ返す。」


「は?」



私は着せてもらった上着を脱ぎ、るうに渡す。


履いてた靴を脱ぎ捨てて。





「リン…!?」



背後でるうの慌てた声が聞こえたが、私は気にも止めず。この湖に飛び込みました。




うわ、思ったより全然深いな!?



潜れども潜れども、最低層は見えてこない。光が届かなくなると段々と暗くなってしまい視界不良。




…困ったな。



諦めきれない私は、どうにか下を照らしたい衝動に駆られ、咄嗟に自分の炎を絞りだす。