(一)この世界ごと愛したい




その存在感は未だ健在な痣。


るうに責任持ってどうにかしてもらおうと、私は支度を済ませて部屋へ戻る。




「るう、これどうにかして。」


「…王妃すげーな。」



私の姿を見て、何故かママをすごいと褒める。




「聞いてますか?」


「…コーヒー淹れるからちょっと待ってろ。」



え、このまま???


コーヒーは嬉しいけれども。



るうもとりあえず朝の支度を済ませてから、コーヒー抽出に取り掛かる。




「……。」



なんて言うか、普段見慣れないせいもあるんだけど。るうの私服姿ってどうも、やっぱり落ち着かない。


…無駄にカッコいい、気がする。




「土台がいいと大体こうなるのか…?」


「何か言ったか?」


「ううん、何でもないですー。」




るうが私の前にコーヒーを置いてくれる。


私は至福のティータイムを過ごすものの、やっぱり気になる!この痣!!!




「お前の肌が白いのもあって目立つな。」


「責任転嫁ですか。」


「ちげえよ、褒めてんだろ。」


「…わかりにく。」



褒め方がわかりにくい!


しかも今そんな褒め方されても嬉しくない!




「もう開き直ろうかな。」


「諦めんな。」


「隠すのも気にするのも面倒になってきた。」


「…とりあえずこれ着てろ。」



そう言って、るうが私に上着を被せる。




「でかー…。」


「っ。(オーバーサイズやばいな。可愛い可愛い可愛い…。)」


「るうの匂いがするー。」


「…。(あー死にそう。)」



るうの大きい上着を着る私を、るうが何故か悶えながら見つめている。


自分で着せといて、何やってるんだ。