その存在感は未だ健在な痣。
るうに責任持ってどうにかしてもらおうと、私は支度を済ませて部屋へ戻る。
「るう、これどうにかして。」
「…王妃すげーな。」
私の姿を見て、何故かママをすごいと褒める。
「聞いてますか?」
「…コーヒー淹れるからちょっと待ってろ。」
え、このまま???
コーヒーは嬉しいけれども。
るうもとりあえず朝の支度を済ませてから、コーヒー抽出に取り掛かる。
「……。」
なんて言うか、普段見慣れないせいもあるんだけど。るうの私服姿ってどうも、やっぱり落ち着かない。
…無駄にカッコいい、気がする。
「土台がいいと大体こうなるのか…?」
「何か言ったか?」
「ううん、何でもないですー。」
るうが私の前にコーヒーを置いてくれる。
私は至福のティータイムを過ごすものの、やっぱり気になる!この痣!!!
「お前の肌が白いのもあって目立つな。」
「責任転嫁ですか。」
「ちげえよ、褒めてんだろ。」
「…わかりにく。」
褒め方がわかりにくい!
しかも今そんな褒め方されても嬉しくない!
「もう開き直ろうかな。」
「諦めんな。」
「隠すのも気にするのも面倒になってきた。」
「…とりあえずこれ着てろ。」
そう言って、るうが私に上着を被せる。
「でかー…。」
「っ。(オーバーサイズやばいな。可愛い可愛い可愛い…。)」
「るうの匂いがするー。」
「…。(あー死にそう。)」
るうの大きい上着を着る私を、るうが何故か悶えながら見つめている。
自分で着せといて、何やってるんだ。

