私が起きるまで、るうはずっと私を抱きしめ続けてくれて。
そんな私が目覚めたのは昼前。
「…リン?」
「ん…?」
ぽかぽかするー。
なんだか落ち着く心地いい体温に、私は無意識に目を閉じたまま擦り寄る。
「ばっ…起きろ、リン!」
「うー…。」
「…普通に襲うぞ。」
「…っ!?」
反射的に私はようやく目を開く。
「お、おは…よ?」
「もう昼前だ。」
「…起きずにずっとここにいるのも珍しいね。」
「どうも離すのが惜しくてな。」
何を今更。
今までにもこんな状況あったろうに。
「なんで?」
「…今の格好。なにもかも危なくて動けないってのが本音。」
「え?」
私は未だるうの腕の中で、そっと自分の身体に目を向ける。
「〜〜〜っ!!!」
浴衣で寝てたの忘れてた!!!
それはもうはだけてはだけて。もう上も下も色々見えそうで見えないギリギリのライン。
「俺は悪くない。」
「とりあえず離して!向こう向いてて!」
「えー。」
「えーじゃない!!!」
素早く直せるところだけ浴衣を整えて。
るうを思いっきり突き飛ばした。
「いってー…。」
「るうの馬鹿!変態!!」
ベッドから転がり落ちたるうを、私は一睨みして。
早く着替えようと思い、服を取り出し着替えることにしました。
…しかし。
「なんなのこの服。」
ママのチョイスにしては珍しい黒い服。けど少し胸元開きすぎだし。やや大人っぽい服な気がする。
…もうなんでもいいか。
気にしたら負けだと思い、脱衣所で私はその服に袖を通してみたものの。

