(一)この世界ごと愛したい




「…褒めたからって別に何も出ません。」


「そこは期待してねえ。」


「じゃあ他のとこも少しは期待値減らしてよー!!!」




大声で怒る私を見て、るうはまた笑う。




「戦が楽しみに思えるのは初めてだ。」


「…あーそうですか。」


「しかもリンが戦いで負傷する心配もねえ。」


「口は出すけど手は出さないからねー。」



それはるうにとっては都合のいい話だそうで。


特段、将として戦に出ることへの心配はいらないらしい。




「そもそもるうは将軍超えの実力なんだし、策さえしっかりしてれば基本大丈夫だから。私次第になってくるよねー。」


「何とかなるだろ。」


「もし指示間違えて死なせたらごめん。」


「別にいい。俺の命はお前のだって言っただろ。」




軽かったり重かったり。


るうの言葉は忙しい。





「その時は責任持って私も一緒に死んであげるから、死ぬ時は一緒だよー。」


「…至れり尽くせりだな。」


「けど、絶対に普通の戦何回かやっといてね!?私との戦にるうは慣れすぎてるから絶対に最初違和感出るからね!?」


「はいはい。」



本当に分かっているのか疑問だけど。


戦が起こるのはきっとまだ先だろうし。まだ将軍になると決まったわけでもないし。何とかなる…か。




「囮になってあげることは出来なくなるけど、少し楽しみかもなー。」


「何がだよ。」


「だってさー。今まで散々私を守る戦いに徹してきたるうが、本格的に自分の戦として戦うわけだし。るうの本気が見られる数少ない機会だもんねー。」


「…お前の策に着いていける程度には、俺もしっかりしろってことね。」




それは必須ですね!!!


よろしくお願いします!!!