(一)この世界ごと愛したい




やってしまったことは仕方ない。


るうが信じてくれる以上は、出来る限りの手は尽くさなきゃいけなくなったけど。




「別に俺に拘る必要ねえだろ。」


「だって、私と背中合わせて戦えるのはるうしかいないんだよ?唯一無二だよ?」


「…ハルがいるじゃねえか。」


「ハルが私に背中を預けるって、本当にそう思ってる?」




あのハルだよ?


何より私が大事なハルが、私の前にいる敵を放置して自分の敵と戦うなんて私には想像出来ませんよ?



それがあって二年前も大怪我したのに。




「…確かに。」


「だから私の相棒はるうしかいないんですよー。」


「相棒って、嬉しいような悲しいような響きだな。」


「…今こんな話するのも良くないかもしれないけど。ハルが復活したとは言っても、パパと私が抜ける穴は小さくはないからね?」




アレンデールには遅かれ早かれ、新たな将が必要になる。







「るうも、覚悟はしててね。」


「……。」


「自分が将として戦に出ることもあるかもしれないよー。」


「…いや俺戦略とかさっぱりだけど。」




そこは私も良く知るところ。


良くも悪くも今まで私が担いすぎてたからねー。





「でもるうは幸運なことに、私という相棒がいるからね。表立って戦には出られないけど、相棒の誼で軍師紛いのことはしてあげられるから。もしそうなったら、その石で探しに来てね!」


「リンが後ろにいるなら、俺負けなしだな。」


「うわ、ほらまた!そういうとこだって!そのほぼ無意識に私を信用するのやめてよ!?」




るうの強さは疑うことないけども、私との戦に慣れすぎてることは意外と不利でもある。


今までは私という囮がいるからそりゃあ上手く言ってたけども!次からそうじゃないことを分かってほしい!!





「一般戦術、勉強し直しとこ…。」


「…お前さ。」


「んー?」


「…やっぱとんでもなく可愛いよな。」




うーん。


眠くなって来たかなー。なんかるうの言ってることが良く分からないなー。