グレイブさんは、驚きつつも優しい微笑みを向けてくれる。
「あなたのそんな姿を見たら、父上はきっと涙して親バカを隠すことなく引き留めたでしょうね。」
「絶対止められるねー。ハルも似たようなもんだけど。でもハルは、私の気持ちを理解してくれるし大丈夫。たぶん。」
「私は、姫様の進む道が楽しみでなりません。」
「絵空事に終わる可能性も高いんだけどね。」
それでも。
私もいつか、先代の火龍のように祀ってもらえるような人生を歩んでみたいな…なんて。
そんなことを考えさせられる出会いだった。
「あ、るうおかえりって言うの遅くなってごめんね!温泉どうだった!?」
「…良い感じだった。」
「私も行こうー!グレイブさん、お話聞かせてくれてありがとう!温泉行って来るねっ!」
私は待ちに待った温泉タイムに、期待しながらるんるんで向かった。
場所を知らなかったけど、私を見つけた使用人さんが有り難いことに丁寧に案内までしてくれて。無事に、辿り着くことができました。

