(一)この世界ごと愛したい




るうが部屋を出た後、しっかり施錠する。


そして布団の中で、じっくりと本と見つめ合う。色んな本を持って来てよかった。




「……。」



無心で読み続け、とある一冊に差し掛かった。




「あ。」



第三王子がわざわざ探してくれた本だ。


失礼だし世間知らずなお坊ちゃんだと思ったけど。今日、なんか違う部分を垣間見た気がした。




彼は、人が争うことが嫌いで。


誰かが傷付くことが嫌いで。



使者がかつて言っていた、優しい人だということに間違いはなくて。





…ただただ、純粋な人なんだろう。





「別に、守ってくれなくてもよかったのにね。」




思い返せば本が落ちてくるくらい守られなくても、大怪我にはならないんだから普通に見過ごせばいいのに。



律儀に庇って、自分が痛い思いして。





…って、そんなことより読まなきゃ。


この国にあとどれくらいいることになるかは分からないけど、いる間に読めるだけ読みたい。




「よーし、もう少しだけ読むぞー。」



こうして、もう少しだけもう少しだけが続き、朝日が少しだけ顔を出した時、私は沢山の本に包まれながら眠りに落ちた。


これぞまさしく、寝落ちである。