座ったまま寝てしまった私は、熟睡することはなく。
数時間で目を覚ます。充分熟睡でした。
「…ん?」
いけないいけない。
思わず寝てしまったと目を覚まして、膝の上のるうを見ると既に目が開いている。
「るう起きてたの!?」
「ついさっきな。」
「起こしてくれたらよかったのにー。」
「…わり。」
るうは謝りはするものの、動く気配はない。
「…?」
「ハルの言う通りだった。」
「良い夢だった?」
「…ああ。目覚めるのが嫌になるくらい。」
どんな夢だったのか気になるじゃん。
私はそんなるうに微笑んで、それはよかったと伝える。
するとそんな私の顔にるうが手を伸ばす。
「ん?」
「…綺麗だな。」
「え?」
「…夢の中と同じだ。」
私の夢だったの!?
それで目覚めたくないって、一体私は夢の中で何をしてあげたんだろう。
「明日も頼む。」
「え…。」
「城に戻ったらハルに邪魔されるから。」
明日もかー。
朝から湖を探索すれば、お昼寝して夜にまた出掛けたら予定としては滞りない…のか。
それにるうのせっかくの休みだし。
珍しく望みがあるのなら叶えてあげようか。
「…うん、いいよ。」
「よし。」
「っちょっと!!」
るうが私のお腹に顔を埋める。
くすぐったいです。
「休みって大事だな。」
「そりゃそうだよ。ハルに言っといてあげるから、これからはちゃんと休んでね。」
「お前がいねえなら意味ねえし。帰ってきた時にまた旅行いけるように休み溜めとく。」
「…るうが元気でいてくれるなら、それでいっか。」
そんなるうは未だに起き上がろうとはせず。
「そろそろ起きませんか?」
「嫌だ。」
「…いつもと逆だなー。」
よっぽど膝枕好きなんだねー。
今までハルにしかしてなくてごめんよー。

