「ねえねえ、明日はどうする?」
「明日は…夜に行きたいとこがある。」
「え、どこ!?」
「…秘密。」
気になるよー。
るうの行きたいとこってどこ!?
この欲のないるうが行きたがる場所なんて、どんなところだろうと。考えてみるけど全然分からない。
「今更だけど、私るうのことよく知らないのかもしれない。全然読めない。全然わかんない。」
「…案外単純なんだけどな。」
「え?」
「俺の求めるものなんて昔から何も変わらない。」
るうの、求めるもの。
欲しいものも特になくて。
買い物に行かせても、欲しいものが見つからなくて何も買わずに帰ってくる。
旅行に行くってなっても、行きたい場所も特に浮かばない。
そんなるうが、求めるもの…?
「それが、明日行きたい場所と関係あるの?」
「…たぶんな。」
「え、たぶん?」
もっと分からない。
なんだろう。森へは今日行ったし。温泉は今日行くんだし。湖には大して興味なさそうだったよな。
「明日になれば分かるだろ。」
「じゃあ今からどうする?」
「…お前は何したい?」
「んー、とりあえず散歩?」
食後の運動も兼ねてと。
提案してみましたが。
「また歩くのかよ。」
「えー。じゃあるうは何したいのー?」
「昼寝。」
「…旅行来てるのに、昼寝か。」

